2013年3月1日金曜日

縄文時代と縄文人

 みなさん、おはようございます。酒井大介です。今日は、「縄文時代と縄文人」というお話です。

 みなさん、縄文時代って聞いたことありますよね。日本列島で今から約1万数千年前から3000年前頃に発展した時代で、竪穴式住居や縄文式土器などが当時の遺跡として発掘されています。文字として残っている文献が無い時代ですから、当時の暮らしは遺跡などから推察するしかありません。いったい、縄文人は、どんな暮らしをしていたのでしょうか?

 発掘されている集落跡には集落を取り囲む塀や堀などが発見されていません。つまり、外敵に対する備えはなかったようです。また発掘される人骨は、争いによる大けがなどの痕跡を持たないそうです。このことから、縄文時代は戦争の無い平和な時代だったといわれています。仮にそれが本当だとすれば、日本列島において約1万年以上に渡って戦争の無い平和な時代が続いたということになりますよね。

 一方で、この縄文人と現代日本人をつなぐ、面白い研究結果が発表されました。去年の秋、総合研究大学院大学の研究グループが発表したプレスリリースによれば、日本列島に住む人を北から順にアイヌ人、本土人、琉球人という3つの「人類集断」に分類し、そのDNA情報を解析したそうです。結果は、アイヌ人からみると、地理的に大きく離れている琉球人が遺伝的にもっとも近く、本土人は、琉球人に次いでアイヌ人に近かったそうです。そして、この3つの「人類集団」は、東アジア大陸の主要な人類集団とは異なる遺伝的構成を持っているということでした。

 縄文時代に続く、弥生時代に、水田稲作や鉄の技術が大陸から渡ってきた渡来人によって伝えられたことがわかっています。今回の実験結果は、現代日本人が、この時の渡来人よりも、それ以前に日本列島に住んでいた縄文人の系統を、より濃く受け継いできたことを科学的に示しています。現代日本人のルーツはどこにあるのか?ということは、諸説ありましたが、今回の研究で、少なくとも1万年以上前から日本列島に住んでいた縄文人が、現代日本人のルーツであることが証明されたといえるでしょう。

 聖徳太子の時代から「和をもって貴し」といって、とにかく争わない方が良いという価値観を持った日本人。そのルーツは、1万年以上に渡って戦争の無い、平和な時代を過ごした縄文人までさかのぼるのかもしれませんね。そしてそれは、いまニュースで聴こえてくる領土問題や隣国のミサイル発射問題に対する日本の対応にも表れているように思います。

 さぁ、今日も、みんな仲良く和をもって、1日楽しくお過ごしくださいね。そして、また今週も、よい週末をお過ごしください。

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